母乳はいつまで与え続けていいのか
今、多くの産科では母乳育児を推奨しています。母乳には赤ちゃんを感染症から守ってくれる免疫成分が含まれていること、消化吸収が良くて赤ちゃんの体に優しい事、お母さんの子宮復古を促すなどたくさんのメリットがあります。ですが、どんなに母乳がいいと分かっていても、いつまで与えればいいのか悩むかと思います。今回は母乳はいつまで与えればいいのか見てみましょう。
断乳したい理由
せっかく順調に母乳が出ているのに、なぜ卒乳をさせたいのか。理由は各家庭によっても様々なのですが、最も多い理由として仕事に復帰するお母さんが多い事。10年前と比較し、母乳育児をしている人は増えているのですが、それと同じように仕事をしている人が増えてきています。早い人は赤ちゃんが1歳になる前に保育園へ預けるので、そのタイミングで卒乳をさせるようです。
母乳はいつまでOK?
生後5か月ごろになると離乳食が始まります。最初はおもゆからはじまり、慣れてくると色んなものが食べられるようになっていきます。離乳食を与えているのに、まだ母乳は必要なのと考えてしまう人も居るかと思います。
WHOによると、生後半年はなるべく母乳で育て、その後離乳食と併用しながら最低でも2年以上母乳を与えることを推奨しています。なぜWHOが2年も母乳を推奨しているのか、それは母乳で育てることで幼児を病気から守ること、それと同時にお母さんを乳がんや卵巣がんなどのリスクを軽減できるからです。
2年間も本当に母乳がでるの?
赤ちゃんが食事から栄養を摂るようになれば、以前の様に頻回に与えることがないので母乳が出なくなるのではと心配になる人もいるかもしれません。ですは、赤ちゃんが母乳を飲み続けている限り、母乳は分泌し続けます。ただ、お母さんが貧血になり易くなるので、カルシウムや鉄分、ビタミンなど栄養バランスを考えた食事を意識してください。
断乳と卒乳の違いは?
断乳と卒乳には大きな違いがあります。断乳とは赤ちゃんの意思とは関係なく母乳を与えないこと。例えばお母さんが風邪を引いたとして薬を処方されました。医師から薬を飲んで数時間は母乳を与えないでと指示されることがあります。この薬を飲むことで赤ちゃんに母乳を与えないことを断乳といいます。他にも職場復帰を理由に母乳を与えないこともこの断乳に入ります。
卒乳とは赤ちゃん自らの意思で母乳を飲まなくなることを卒業といいます。断乳より卒乳をさせる人の方が多いようです。赤ちゃん自らが母乳を欲しがらなくなったことは、成長した証です。
まとめ
母乳は赤ちゃんやお母さんにとってたくさんのメリットがあります。肌と肌が触れ合うので赤ちゃんもリラックスし精神的にも良いのでお勧めです。ただ、断乳をさせる場合は残っている母乳をしっかり処理しないと乳腺炎になってしまいます。気になる方は母乳外来に相談し、上手な断乳方法を教えて貰いましょう。