妊娠初期について

妊娠初期について

妊娠期間は、妊娠初期(妊娠4~15週)、妊娠中期(妊娠16~27週)、妊娠後期(妊娠28~39週)の3つの期間に分けられます。
今回は妊娠初期に起こりやすい症状やその原因、気を付けるべきことなど、詳しく書いていきたいと思います。

妊娠初期とは?

妊娠初期とは妊娠4週~15週ごろのことを指します。
世界保健機関(WHO )の定義によると、妊娠期間は「最終生理(月経)開始日」を「0週0日」と数えます。
そこから約2週間後に卵子が排卵され、受精卵となり着床して妊娠が成立ということになります。
一般的な妊娠検査薬は「生理予定日の1週間後から」の使用が推奨されているため、妊娠に気づいた時にはすでに5週を越えているケースがほとんどです。
妊娠初期は胎児の脳や心臓などのいろいろな主要器官が出来始める重要な時期で、胎児が外からの影響を最も受けやすい時期となります。

妊娠初期に起こりやすい主な症状とは?

・熱っぽさ
 女性の体温は月経の周期により、体温の低温期、高温期の2つに分けられますが、妊娠したことにより「エストロゲン」や「プロゲステロン」といったホルモンの働きで高温期が続くようになります。
妊娠に気づいておらず、風邪による微熱だと思い薬を飲んでしまった、と慌てる方も多いようです。定められた用量、回数で服用した場合はあまり神経質にならなくても大きな心配はいらない、と言われてはいますが、心配な方は一度産婦人科の医師に相談してみてください。

・つわり
 つわりは一般的に妊娠5週頃からだいたい妊娠16週までに終わる、と言われています。よく聞く症状としては、「吐き気や嘔吐」、「においに敏感になる」、「常に何か食べていないと気持ち悪い」などがありますが、つわりの症状には個人差があり、全く症状がない人から、16週を過ぎても続いたという人まで様々です。

・胸の張りや痛み
 「エストロゲン」というホルモンの分泌により、胸の入管・乳腺組織の働きが活発化するために起こります。締め付けるタイプの下着ではなく、胸を押し付けず刺激がない優しいタイプの下着に変えることをオススメします。

・出血
 約30%の妊婦さんが経験するといわれてはいますが、1番不安になる症状です。この時期の少量の出血は胎盤ができあがる途中の子宮内膜の血管の破たんが理由であり、流産の直接的な原因になることはほとんどないと言われてはいますが、妊娠初期の流産が多いのは事実です。少量の出血でも必ず産婦人科の医師に相談してみてください。

・下腹部痛やお腹の膨脹感
 妊娠によって子宮が大きくなり、子宮を支えるじん帯が引っ張られることによって
お腹が張ったりチクチクした痛みを感じることがあります。
安静にしてもおさまらなかったり、冷や汗がでるほどひどく傷んだり、出血が伴うような場合は病院で相談するようにしてください。

他にも
・情緒不安定
・食欲の変化
・腰痛
・頭痛
・肌トラブル
・頻尿、便秘、下痢
・おりものの変化        などがあります。

妊娠初期に気を付けるべきこととは?

・葉酸の摂取
葉酸とはビタミンB群の1主で代謝に関係し、DNAやRNAなどの核酸、たんぱく質の合成に欠かせない栄養素です。妊娠中に葉酸の摂取が推奨される大きな理由は「赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすため」と言われており、妊活中からの摂取も推奨されているほどです。
妊娠初期は細胞分裂が盛んに行われ、赤ちゃんの脳や脊髄へと発達する神経管が作られる大事な時期です。葉酸は食事でも摂取することができ、茹でたホウレンソウや茹でたブロッコリーなどに多く含まれていますが、妊娠初期の女性の一日の摂取推奨量は成人男女の240㎍より更に240㎍上乗せした量となっていますので、サプリメント等を利用し、意識的に摂取することが推奨されています。

・喫煙
まずは喫煙についてですが、煙草に含まれるニコチンは血管を収縮させ、母体内の血流を悪くすること、一酸化炭素は本来は酸素と結合するべきであるヘモグロビンと結合することで母体内の血液中の酸素が不足状態にさせることが分かっています。これにより、子宮や胎盤の血液循環が悪化し、子宮収縮や胎盤の機能の低下が起こるため、流産や早産、前置胎盤や胎盤早期剥離などのリスクが高まります。本人の喫煙だけでなく、受動喫煙も同じリスクを伴いますので注意が必要です。

・飲酒
妊娠中の女性がお酒を習慣的に飲み続けると、お腹の赤ちゃんは「胎児性アルコール症候群」と呼ばれる先天性の疾患を持って生まれてくる可能性が出てきます。また、喫煙と同じく流産や早産のリスクも高まるので、要注意です。

・服薬
薬の種類によっては赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。ネットの情報を鵜呑みにしたり、自己判断によって服用したりすることは避け、産婦人科の医師に相談してください。

おわりに

妊娠初期の症状は人それぞれで、その内容や重さにも個人差があります。
自分の症状をしっかりと理解し、必要に応じて医療機関に相談しながら上手に付き合っていってください。

無理せず、楽しいマタニティライフを過ごしてくださいね。